日商PC検定は、日本商工会議所が主催するビジネス実務に直結したパソコンスキル検定です。
Word・Excel・PowerPointを使った実技操作を中心に、情報リテラシーやIT活用力など、オフィスワークに必要なスキルを体系的に学べる資格として、高校生から社会人まで幅広い層に利用されています。
科目は「文書作成(Word)」「データ活用(Excel)」「プレゼン資料作成(PowerPoint)」の3分野。
各級に応じて難易度が分かれており、パソコン初心者から実務のエキスパートまで、段階的に力をつけられる構成になっています。
この記事では、日商PC検定の3級・2級・1級それぞれの難易度を徹底解説。
どの級から挑戦すべきか迷っている方のために、試験の特徴や合格率、他資格との比較、学習ポイントなどをわかりやすくまとめました。
目次
日商PC検定の種類と構成
日商PC検定の試験科目は3分野
日商PC検定では、以下の3つの科目が用意されています。
- 文書作成(Word)
- データ活用(Excel)
- プレゼン資料作成(PowerPoint)
自分の目的に応じて、1科目から受験可能です。
日商PC検定の級位の区分
各科目には次のようなレベル分けがあります。
- 1級(上級者向け)
- 2級(中級・実務者向け)
- 3級・Basic(初心者・基礎学習者向け)
出典:日商PC
日商PC検定は CBT方式+知識問題
試験は全国の指定会場でCBT(パソコン操作式)で実施され、操作問題に加えて選択式の知識問題も含まれています。
日商PC検定 3級・Basicの難易度(初級)
日商PC検定3級・Basicの対象者
- 高校生
- パソコン初心者
- パソコン学習を始めたばかりの社会人
日商PC検定3級・Basicの試験内容
【3級】
試験時間:知識 15分(択一式)、実技 30分
合格基準:知識、実技の2科目とも70%以上
【Basic】
試験時間:実技 30分
合格基準:70%以上
- 基本的なビジネス文書の作成
- 簡単な表の作成・グラフ化
- プレゼン資料の体裁調整
- オフィス業務の入門的なスキル
日商PC検定3級・Basicの合格率
70〜90%と比較的高く、しっかり勉強すれば合格しやすいレベルです。
日商PC検定3級・Basicの難易度の特徴
- 操作の基本が理解できていれば、独学でも十分対応可能
- 学校の授業やeラーニングと併用すればさらに安心
日商PC検定 2級の難易度(中級)
日商PC検定2級の対象者
- 実務でWord・Excelを使う事務職や大学生
- 再就職や転職を目指す人
日商PC検定2級の試験内容
【2級】
試験時間:知識 15分(択一式)、実技 40分
合格基準:知識、実技の2科目とも70%以上
- IF関数やVLOOKUPなどの実用関数
- データのソート・フィルタ・グラフ化
- 書式や配置の調整
- 分析的な資料作成
日商PC検定2級の合格率
おおむね60〜80%前後。3級と比較すると一段階レベルアップしています。
日商PC検定2級のポイント
- 時間配分と操作精度がカギ
- 「スピード重視」よりも「正確な処理」が求められる
日商PC検定 1級の難易度(上級)
日商PC検定1級の対象者
- OA指導者
- IT系職種で高度なパソコンスキルを証明したい人
日商PC検定1級の試験内容
【1級】
試験時間:知識 30分(論述式)、実技 60分
合格基準:知識、実技の2科目とも70%以上
- 複雑な文書・帳票作成
- 複数関数の組み合わせによる処理
- プレゼン資料の構成力とプレゼンシナリオ設計
- 業務改善提案を含むような総合課題
日商PC検定1級の合格率
40〜60%程度。上位級らしい難易度です。
日商PC検定1級の難易度の特徴
- “パソコンを操作できる”から“業務で使いこなせる”へのステップ
- 実務経験がある人でも、準備なしでは合格が難しい
他の資格と比較した難易度感
MOSとの比較
- 実技操作の難易度は近いが、MOSの方が認知度が高く企業評価されやすい
- 日商PC検定は実務的な課題解決に近い構成
ITパスポートとの違い
- 日商PC検定:操作スキル中心
- ITパスポート:ITの基礎知識・マネジメント系中心
ビジネス系検定としての立ち位置
- 簿記や秘書検定と同様に、「基礎スキルを身につけた証明」として有効
受験者の声から見る「難易度のリアル」
- 「3級は中学校の情報の授業でも通用した」
- 「2級はIF関数とグラフで詰まった、時間が足りなかった」
- 「1級は“応用問題”というより“課題解決型問題”。問題の意図を理解するのが難しい」
模擬試験や過去問対策の有無で合否が分かれる、という声が多く見られました。
効率よく合格するための学習法
公式テキスト&模擬試験の活用
- 各級に対応した公式教材があるため、初学者も安心
- 模擬試験CD付きの教材で“本番形式”に慣れることが重要
学校・スクールの利用も効果的
- 高校や専門学校では授業内で対策するケースも多い
- 社会人向けには通信講座や短期講習も充実
操作スピードと正確性のバランス
- “速く”より“確実に”操作できるようになることが合格への近道
まとめ
日商PC検定は級によって難易度が異なる
- 3級・Basicは基礎、2級は実務、1級は高度な応用力が問われる
目的とスキルレベルに応じた級選びが大切
- 初心者は3級・Basicから、業務経験者は2級以上からの受験も◎
資格を“取りっぱなし”にしない
- 学習した内容を業務や自己学習で活用することで、本当の意味で「使えるスキル」になる