「応用情報技術者試験は午前が免除されるって本当?」
「午後試験だけ受けられないの?」
といった疑問を持つ方は少なくありません。
特に他の国家試験やベンダー資格においては、科目ごとの合格や一部免除制度が存在するため、応用情報でも同じような制度があると考える人もいます。
この記事では、応用情報技術者試験における午前免除の有無について明確に説明し、併せて、試験制度の特性を活かした効率的な学習戦略をご紹介します。
さらに、応用情報合格後に得られる「高度試験の午前Ⅰ免除」についても詳しく解説し、長期的なキャリア形成の視点から見た受験の意義もお伝えします。
目次
応用情報に午前免除制度はない
応用情報技術者試験は、午前免除制度はありません。
午前と午後の両方の試験を通じて合否が判定されます。
残念ながら、午前試験のみ、あるいは午後試験のみの「部分合格」や「次回への持ち越し制度」は存在しません。
【午前】
試験時間 9:30~12:00 (150分)
出題形式 多肢選択式(四肢択一)出題数・解答数
- 出題数:80問
- 解答数:80問
【午後】
試験時間 13:00~15:30 (150分)
出題形式 記述式出題数・解答数
- 出題数:11問
- 解答数:5問
両方で60%以上が合格基準。
つまり、一方が高得点でも、もう一方で基準に満たない場合は不合格となります。
この点は他資格との大きな違いです。
ただし、上位試験での午前Ⅰ免除が可能
応用情報そのものに午前免除制度はありませんが、合格後に活用できる“隠れた特典”があります。
それは、応用情報技術者に合格すると、上位の高度情報処理技術者試験、情報処理安全確保支援士試験で「午前Ⅰ試験」が2年間免除されることです。
- 高度試験とは:セキュリティスペシャリスト、ネットワークスペシャリスト、システムアーキテクトなど
- 応用情報の合格日から2年間有効
- 午前Ⅰ:基本的な知識確認の選択問題(試験時間50分)
この制度を利用すれば、午後試験や専門知識に集中でき、合格の可能性が高まります。
上位試験での午前Ⅰ免除条件と申請方法
午前Ⅰの免除を受けるには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の一部免除対象となる条件
- 応用情報技術者試験(AP)に合格
- 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前1試験で合格
- 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前1試験で合格
免除申請の際は、IPA(情報処理推進機構)のマイページにログインし、「一部免除申請番号」を入力することで適用されます。
免除のメリットと受けるべき理由
午前Ⅰを免除できる最大のメリットは、試験全体の負担軽減にあります。
- 試験時間の短縮(50分ぶんが免除)
- 午前Ⅰの勉強時間を午後・専門問題に振り分けられる
- 午後の記述対策に集中できる
特に働きながら試験を目指す社会人や、複数資格を計画的に取得したい人にとって、大きなアドバンテージとなります。
応用情報+さらなる高みに進むための戦略
応用情報技術者試験の合格は、エンジニアとしての基礎力の証明であると同時に、キャリアアップへの通過点でもあります。
以下のようなステップアップが考えられます。
- 応用情報 → セキュリティスペシャリスト → CISSP
- 応用情報 → ネットワークスペシャリスト → CCNP
- 応用情報 → プロジェクトマネージャ → PMP
このとき、午前Ⅰ免除を活用することで効率的にステップアップが可能になります。
まとめ
応用情報技術者試験には午前免除制度は存在しませんが、その代わり、合格することで高度試験における午前Ⅰの免除特典を活用できます。
この制度を知っておくことで、より長期的かつ戦略的にキャリアを設計することが可能です。
- 応用情報試験は午前・午後ともに合格が必要
- 合格後2年間は高度試験で午前Ⅰが免除される
- 午後対策に集中できるという大きなメリット
今後のキャリアを見据え、ただ合格するだけでなく、合格後の使い方にも意識を向けた学習と受験戦略を立てていきましょう。