DevOpsという言葉が広まり、クラウド環境でのアプリケーション開発・運用を担う人材が求められる中で、Azure DevOpsに関する知識と実務力を証明できる「AZ‑400(Microsoft Azure DevOps Engineer Expert)」は、注目度の高い資格のひとつです。
しかしその一方で、
「範囲が広くてどこから手をつければよいか分からない」
「技術が断片的で学習にまとまりがない」
といった悩みを抱える受験者も多いのが現実です。
この記事では、AZ‑400試験の最新出題範囲、効果的な学習ロードマップ、おすすめの教材や模擬試験、そして合格するためのコツを体系的に紹介します。
最短10週間で合格を目指せる現実的なステップを解説していきます。
目次
AZ‑400とは?試験概要と目的
認定資格の詳細
DevOps エンジニアは、人、プロセス、製品を扱う分野において価値の継続的デリバリーを組織で実現できる専門知識も持っている開発者またはインフラストラクチャの管理者です。
この役割の責任には、継続的なセキュリティ、統合、テスト、配信、デプロイ、監視、フィードバックを提供する Microsoft DevOps ソリューションの提供が含まれます。
作業フロー、共同作業、コミュニケーション、ソース管理、自動化を設計して実装します。
AZ‑400はMicrosoftの上級認定資格「Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert」に属し、Azureを用いたDevOps導入の計画、構成、実装、監視までの一連のプロセスを理解・実践できるスキルを問います。
- 必須前提資格:AZ‑104またはAZ‑204に合格済みであること(DevOps Engineer Expertバッジ付与の条件)
- 試験形式:選択問題、ドラッグ&ドロップ、ラボ問題(パフォーマンスベース)
- 試験時間:最大210分、設問数40~60問+ラボ1件
- 合格ライン:700点(1000点満点)
出題範囲とスコア配分
出題範囲は以下の通りです(2024年7月更新):
- プロセス設計とコラボレーション戦略:10–15%
- ソース制御戦略の設計:10–15%
- 継続的インテグレーション/デリバリー:50–55%
- セキュリティとコンプライアンス:10–15%
- モニタリングとインストゥルメンテーション:5–10%
特にCI/CD(パイプライン)周辺が全体の約半分を占めるため、YAMLでの構成やAzure Pipelinesの活用は重点的に対策しましょう。
学習ロードマップ(10週間プラン)
第1〜2週:プロセス設計・コラボレーション
- トレーサビリティ、KPI設計、アジャイル開発手法
- チーム内の役割設計とコミュニケーションプロセス
第3〜4週:ソース制御
- Gitブランチ戦略、Pull Requestの管理
- Azure ReposやGitHubの連携・統合方法
第5〜7週:CI/CDパイプライン
- YAML構文、ビルドパイプライン、リリースパイプラインの設計
- Container、IaC(Terraform、ARMテンプレート)など
第8週:セキュリティとコンプライアンス
- シークレットの管理(Key Vaultなど)
- コードスキャン、アクセス制御、セキュアなパイプライン構成
第9週:監視とログ
- Application Insights、Log Analytics、アラート設計
第10週:模試+復習
- 模擬試験を複数回実施し、苦手分野を再確認
推奨学習リソース&教材
- Microsoft Learn(無料):各ドメインごとの学習パス完備
- Sybex出版のExam Guide:詳細な解説と模試付きの定番教材
- Udemy(Scott Duffy講座):日本語字幕対応、講義+ハンズオン
- YouTube(John Savill, Peter De Tenderなど):無料で実践学習
- 模擬試験(MeasureUp、Whizlabs、ExamTopics):実力判定に最適
Reddit合格者の体験談
実際の合格者からは以下のような声が寄せられています:
“44問+ラボ1件、70分で821点合格。WhizlabsとMS Learnだけで十分だった。” “パイプラインのYAML構築が一番難しかった。ラボ問題も時間配分が勝負。”
模試とラボの反復が、最短合格の鍵であることがよくわかります。
領域別の対策ポイント
- プロセス設計:アジャイル用語、スクラムプロセスの把握
- ソース制御:Gitの運用ルール、マージ戦略の実装
- パイプライン:Azure Pipelines構築、GitHub Actionsとの比較
- セキュリティ:Key Vault管理、静的コード解析、アクセス制御
- モニタリング:ログの収集、Application Insights活用
ハンズオン重視の学習法
実務経験がない場合でも、Azureの無料アカウントを活用すれば以下が実践可能です:
- GitHubでリポジトリ作成 → Azure DevOpsと接続
- YAMLでのパイプライン作成 → CI/CDの自動化演習
- Key Vault連携、コード署名、テストステップ組み込み
- Application Insightsでログ取得 → 分析ダッシュボード作成
模擬試験の活用法
- MeasureUp:本番に近い難易度。80%以上安定で合格圏内
- ExamTopics:過去問ベースの傾向把握に有効
- Whizlabs:問題解説が充実。実力定着に役立つ
模試の活用は「学力確認+不明点の洗い出し」に効果的。間違えた問題はMicrosoft Learnで復習を。
試験当日の流れと注意点
- 試験時間:最大210分(60問前後+ラボ1件)
- 受験形式:オンラインまたはテストセンター
- 本人確認書類:写真付き2種類必要(運転免許証+保険証など)
- 一部セクションでは戻れない構成あり → 時間管理に注意
Q&A よくある質問
Q. AZ‑104やAZ‑204は必須ですか? → 試験自体には不要ですが、「DevOps Engineer Expert」として認定されるには必要です。
Q. 勉強時間の目安は? → Azure経験者:100〜150時間、未経験者:150〜250時間が目安です。
Q. 合格率はどれくらい? → 非公開ですが、模試で80%以上安定していれば高確率で合格できます。
まとめ
AZ‑400は内容が広範で難易度も高いですが、明確な学習ロードマップとハンズオン・模試を活用すれば、最短10週間で合格が現実的に見えてきます。
- 学習範囲は5つのドメインに集中
- 実務レベルの演習が理解定着のカギ
- 試験形式と時間配分も事前に体験しておくこと
この記事を参考に、あなたもAzure DevOpsエンジニアとしてのスキル証明を目指して、戦略的な学習を始めましょう。