就職・転職活動や社内でのスキル証明のために、「MOS(Microsoft Office Specialist)」と「ITパスポート」のどちらを取るべきか迷っている方は多いのではないでしょうか。
どちらも初心者向けのIT系資格として知られていますが、身につくスキルや評価される場面が異なるため、自分の目的に合った選択が大切です。
本記事では、MOSとITパスポートの試験内容や難易度、活用シーンの違いを徹底比較しながら、「どっちを選ぶべきか?」の判断基準を解説していきます。
これから資格取得を考えている方は、自分のキャリアや目標に合った資格を見極める参考にしてください。
目次
MOS(Microsoft Office Specialist)とは?
マイクロソフト製品の操作スキルを証明する資格
MOSは、Microsoft Office製品(Word、Excel、PowerPointなど)の操作スキルを客観的に証明できる国際的な民間資格です。
主に事務職やサポート業務での実務力アピールに効果的で、パソコン操作に自信をつけたい初心者にも人気があります。
試験の種類・レベル・受験形式
- 試験科目:Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Accessなど(バージョンごとに分かれる)
- レベル:一般レベル(スペシャリスト)、上級レベル(エキスパート)
- 試験形式:CBT方式、全国の会場で随時受験可能
- 合格ライン:700~850点程度(科目により異なる)
就職・転職での活用シーン
- 一般企業の事務職・営業事務・アシスタント職で評価されやすい
- 実務操作スキルが必要な職場で「すぐに戦力になれる」印象を与えられる
ITパスポートとは?
経済産業省認定の国家試験
ITパスポートは、経済産業省が認定する国家資格で、ITの基礎知識だけでなく、経営・法律・マネジメントまでを含んだ広範囲な内容が問われます。
IT系だけでなく、すべてのビジネスパーソンに必要とされる「ITリテラシー」を身につけたい人におすすめです。
試験形式・出題範囲
- 試験形式:CBT方式(100問/120分)
- 出題範囲:
- ストラテジ系(経営戦略、法務など)
- マネジメント系(プロジェクト管理など)
- テクノロジ系(ハードウェア、ネットワーク、セキュリティなど)
- 合格ライン:総合600点以上+各分野300点以上
活用シーン
- 新卒・学生の基礎力証明
- IT業界志望者や異業種からの転職活動
- 社員研修や企業内でのスキルチェックにも採用されている
MOSとITパスポートの比較表
比較項目 | MOS | ITパスポート |
---|---|---|
資格の種類 | 民間資格(Microsoft認定) | 国家試験(経済産業省) |
難易度 | 初心者~中級者向け | 初学者~IT基礎層向け |
出題内容 | Officeソフトの操作スキル | IT・経営・法律などの知識全般 |
費用相場 | 約10,000〜12,000円/科目 | 約7,500円 |
対象者 | 事務職志望・実務操作を重視する人 | ITリテラシーを身につけたい人 |
活用シーン | 事務・アシスタント業務の実務力証明 | IT職・学生・社会人全般の基礎知識証明 |
試験実施頻度 | 随時受験可(予約制) | 通年(会場により異なる) |
MOSとITパスポート「どっちを選ぶべきか?」の判断基準
Officeソフトの実務操作をアピールしたいならMOS
ExcelやWordなどの業務スキルを明確に証明したいなら、MOSの取得が即戦力アピールにつながります。
特に事務職を希望している人には強い武器になります。
IT知識を広く学びたい・国家資格が欲しいならITパスポート
「ITってよくわからないけど必要そう…」という文系の方や、新社会人には、まずITパスポートで全体像を掴むことをおすすめします。
国家資格であり、企業からの信頼度も高めです。
文系でITへの苦手意識がある人にもITパスポートがおすすめ
文系・非IT出身でも、体系的に学べば理解できる内容になっており、「ITの入り口」として最適です。
ビジネス法務や経営戦略などもカバーしているため、学習効果は高いです。
両方取得すれば「基礎+実務」のバランスが取れる
最終的には、ITパスポートで知識を固めたうえで、MOSでスキルを補完する形が理想です。
資格の組み合わせで、履歴書や職務経歴書にも厚みが出ます。
MOSとITパスポート おすすめの取得順とキャリア活用例
学生や就活準備中の人:まずMOS→ITパスポート
Officeソフトを扱う機会が多い学生は、MOSで「実務スキル」を証明してから、ITパスポートでIT知識を補完するのがおすすめです。
どちらも短期間での取得が可能です。
社会人・異業種からIT職を目指す人:ITパスポート→MOS
まずITパスポートでIT用語や業務の流れを理解した後、MOSでExcelスキルなどを実務レベルで証明する流れがスムーズです。
転職市場でも好印象を与えられます。
両資格の組み合わせでアピールできる職種・場面とは?
- 営業職:ITパスポートで業務理解+MOSで資料作成スキルを証明
- 事務職:MOSで即戦力アピール+ITパスポートで業務全体への理解力を補強
- エンジニア志望者:ITパスポート取得で基礎知識を固め、技術系資格へのステップアップへ
まとめ
どちらも「実務に役立つ」資格。迷ったら目的に合わせて選ぼう
MOSとITパスポートは、どちらも即戦力や基礎力の証明として有効です。
自分の目指す職種や業務内容に合わせて、まずは一方からスタートするのが現実的です。
将来的なキャリアや職種を見据えて、資格取得を計画的に!
いきなり難関資格を目指すよりも、まずはMOSやITパスポートのような身近な資格から始めることで、着実にスキルを伸ばすことができます。
学習のハードルが低く、短期合格も可能なので、最初の一歩にぴったり
どちらも1〜2ヶ月の学習期間で合格を目指せる内容です。今のうちに少しずつ準備を始めて、未来のキャリアに自信をつけましょう。