サイバー攻撃の脅威が高まる中、企業のセキュリティ対策の強化が求められています。
そんな中で注目されているのが、情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)という国家資格です。
「情報処理安全確保支援士って何?」
「今後、企業に必ず配置しないといけなくなるの?」
このような疑問を持つ人も多いでしょう。
本記事では、情報処理安全確保支援士の概要や役割、必置化の可能性について解説します。
目次
情報処理安全確保支援士とは?
情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の概要
情報処理安全確保支援士(Registered Information Security Specialist:RISS)は、日本のサイバーセキュリティ分野における唯一の国家資格です。
2017年に創設され、サイバー攻撃の防御や情報セキュリティの確保に関する専門知識を持つ技術者を認定する資格として位置づけられています。
情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)制度
「情報処理安全確保支援士」とは、サイバーセキュリティ対策を推進する人材の国家資格です。
サイバーセキュリティ対策の重要性が社会的に高まる中で、それを担う人材の育成・確保のために、『国家資格』が誕生しました。
試験の概要
- 試験実施機関:IPA(情報処理推進機構)
- 試験時期:年2回(春・秋)
- 試験形式:午前試験(マーク式)+午後試験(記述式)
- 合格率:約15~20%(難易度は高め)
情報処理安全確保支援士の役割
この資格を持つ者は、企業や組織において以下のような役割を果たします。
- セキュリティポリシーの策定
- サイバー攻撃への対策と防御
- インシデント発生時の対応と復旧支援
- セキュリティ監査や教育の実施
特に、企業の情報システム部門やセキュリティ専門会社で活躍するケースが多いです。
情報処理安全確保支援士の必置化は進むのか?
情報処理安全確保支援士の現在の法的な位置づけ
現時点では、情報処理安全確保支援士の配置は法的に義務付けられていません。
ただし、政府や経済産業省はこの資格の普及を促進しており、特定の業界や企業での配置が推奨される動きがあります。
情報処理安全確保支援士の必置化が検討される可能性
今後、以下のような理由から、情報処理安全確保支援士の「必置化(一定の組織で配置を義務付けること)」が進む可能性があると考えられます。
- サイバー攻撃の増加:企業や官公庁が標的となるサイバー攻撃が増加しており、専門家の配置が求められている。
- 法規制の強化:個人情報保護法やサイバーセキュリティ基本法の改正により、企業のセキュリティ責任が強化されている。
- 企業のセキュリティ対策の強化:金融機関や重要インフラ事業者(電力、通信など)では、既に厳格なセキュリティ基準が求められている。
経済産業省の報告書でも、情報処理安全確保支援士の活用が推奨されており、今後「特定の業種・規模の企業に必須となる可能性」もあります。
情報処理安全確保支援士のメリットと課題
情報処理安全確保支援士を取得するメリット
- セキュリティ分野での専門性を証明できる
- 政府や大手企業での評価が高い
- 独占名称資格であり、資格保持者のみ「情報処理安全確保支援士」と名乗れる
特に、セキュリティエンジニアやコンサルタントを目指す人には大きなメリットがあります。
情報処理安全確保支援士を取得する課題・デメリット
- 継続的な講習受講義務がある(3年ごとに更新、費用がかかる)
- 試験が難しく、合格率が低い(15~20%程度)
- まだ企業によっては評価が分かれる
資格取得後も、定期的な講習(有料)が義務付けられているため、維持コストがかかるのが課題とされています。
情報処理安全確保支援士は取得すべき?
情報処理安全確保支援士の取得をおすすめするのは、次のような人です。
- セキュリティエンジニアやコンサルタントを目指す人
- 企業の情報システム部門でセキュリティ担当をしている人
- 今後のキャリアアップを考えているITエンジニア
一方で、
- プログラミングや開発がメインのエンジニア
- 資格の維持費が気になる人
には、別の資格(CISSPやCompTIA Security+)の方が向いているかもしれません。
まとめ|情報処理安全確保支援士は今後さらに重要になる
- 情報処理安全確保支援士は、日本で唯一の公的なセキュリティ資格
- 現在は必置資格ではないが、今後特定の企業で義務化される可能性あり
- 企業のセキュリティ対策強化の流れの中で、重要性が増している
- セキュリティ分野でキャリアアップを目指すなら取得する価値あり
情報処理安全確保支援士は、国家資格としての信頼性が高く、セキュリティ分野の専門家としての証明になる資格です。
今後の動向をチェックしつつ、必要に応じて取得を検討するとよいでしょう。