Excelの自動化や業務効率化に欠かせないスキルとして、VBA(Visual Basic for Applications)は長年にわたり事務職や営業支援の現場で活用されてきました。
そんなVBAのスキルを客観的に証明する資格が「VBAエキスパート」です。
しかし、インターネット上では「VBAエキスパートは意味がない」「履歴書に書いても評価されない」といったネガティブな意見も散見されます。
本当にこの資格には価値がないのでしょうか? それとも、誤解や使い方の問題があるのでしょうか?
この記事では、「意味ない」と言われる背景を客観的に整理しつつ、資格としての実用性や効果的な活用シーンをわかりやすく解説します。
これから取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
VBAエキスパートの概要と難易度
VBAエキスパートとはどんな資格?
VBAエキスパートは、オデッセイコミュニケーションズが主催する民間資格で、ExcelやAccessで使われるマクロ言語「VBA(Visual Basic for Applications)」の習熟度を測る試験です。
レベルは「Basic」と「Standard」に分かれており、主に事務職や営業職でExcel業務を効率化したい人に人気があります。
認定元と試験の種類
この資格はオデッセイコミュニケーションズによって認定されており、下記の2レベルに分かれています。
- Basic:VBAの基礎知識や簡単なマクロ操作が出題される
- Standard:より実務的な応用問題が中心で、実用性の高いスキルが求められる
試験内容
試験はCBT方式(コンピュータ上での選択式試験)で行われる。
Excel VBA ベーシック
問題数 40問前後 出題形式 選択肢形式、ドロップダウンリスト形式、穴埋め記述形式 試験時間 50分 Excel VBA スタンダード
問題数 40問前後 出題形式 選択肢形式、ドロップダウンリスト形式、穴埋め記述形式 試験時間 50分 Access VBA ベーシック
問題数 40問前後 出題形式 選択肢形式、ドロップダウンリスト形式、穴埋め記述形式 試験時間 50分 Access VBA スタンダード
問題数 40問前後 出題形式 選択肢形式、ドロップダウンリスト形式、穴埋め記述形式 試験時間 60分
合格基準は、700点以上(1000点満点)です。
難易度・合格率の目安
Basicは合格率80%以上、Standardは60%前後とされており、しっかり学べば合格しやすい部類の資格です。
「VBAエキスパートは意味ない」と言われる4つの理由
意味ないと言われる理由① 資格の知名度が低く、履歴書に書いても効果が薄い
国家資格と異なり、VBAエキスパートは民間資格のため、企業側の認知度が低く、採用時のアピール材料としてはやや弱い面があります。
意味ないと言われる理由② 実務経験の方が評価されやすい
実務で「自動化ツールを組んだ」「業務を時短した」などの経験があれば、資格がなくても高く評価されるケースが多いです。
意味ないと言われる理由③ VBAの将来性に不安がある
近年はノーコードツールやPythonなど、VBAに代わる技術も普及してきており、「これからの時代に合っているのか?」と疑問視されることがあります。
意味ないと言われる理由④ 資格を取っただけでは実務で通用しない
VBAエキスパートは選択式試験のため、コーディング経験が乏しくても取得可能です。
そのため「実際にマクロを組めない人もいる」という点で、評価されにくいことがあります。
それでもVBAエキスパートが役に立つ場面
「意味がない」とされる一方で、次のような場面では大いに力を発揮します。
- 社内業務の自動化・効率化に直結
定型作業を自動化することで、大幅な業務効率化が可能です。
- 事務職や営業アシスタントの業務改善
日常的にExcelを使う職種では、マクロの活用で作業時間を大きく短縮できます。
- VBA未経験者がスキルを体系的に学ぶ入口として
独学よりも体系的に学べる資格勉強は、初心者にとって大きなメリットです。
- 自己研鑽や社内でのスキル証明に使える
昇進や部署異動の際に「VBAスキルがあります」と客観的に示せる点は強みです。
VBAエキスパートと他の資格との比較と補完的な活用法
MOSやITパスポートとの違い
MOSはOffice操作スキル、ITパスポートはIT基礎知識の証明。
VBAエキスパートは「業務自動化のスキル証明」として補完的に役立ちます。
Pythonなどとの並行学習もおすすめ
VBAで自動化の基礎を身につけた後、Pythonに進むことでより汎用性の高いスキルを得られます。
キャリア設計に活かす
- VBAエキスパート → Excel業務の効率化
- Python習得 → Webスクレイピング、業務データ処理など
このように、段階的なスキルアップの一歩目として活用できます。
VBAエキスパートはこんな人におすすめ
- Excel業務が多い事務職・営業職
- マクロを使って仕事を効率化したい人
- IT初心者で、まずは「見えるスキル証明」が欲しい人
社内外で「できる人」と見られるきっかけになる場合もあります。
まとめ
VBAエキスパートは“目的次第”で意味がある資格
就職や転職で直接評価されにくい面はあるものの、業務効率化やスキルアップには非常に有効です。
履歴書の武器というよりは、実務効率化の証明
実務でのマクロ作成ができるようになれば、自然と評価に繋がります。
長期的には他言語スキルと組み合わせて価値を高めよう
PythonやPower Automateなど、より汎用的なスキルと組み合わせることで、キャリアの幅が広がります。