Webデザインやコーディングのスキルを証明する資格の一つにWebクリエイター能力認定試験があります。
この資格は、HTMLやCSSの基礎知識を問う試験ですが、「取得しても意味がない」「実務では評価されにくい」と言われることもあります。
- Webクリエイター能力認定試験は、就職・転職に有利なのか?
- Webデザインやコーディングの実務で役立つのか?
- 資格よりもスキルやポートフォリオが重要なのか?
本記事では、Webクリエイター能力認定試験の価値、取得するメリット・デメリット、資格が必要な人・不要な人の特徴を詳しく解説します。
目次
Webクリエイター能力認定試験とは?試験の概要
Webクリエイター能力認定試験は、サーティファイ(Certify)が主催するWebデザイン・コーディングスキルを測る資格試験です。
項目 | 詳細 |
---|---|
試験内容 | HTML・CSSのコーディング、Webデザインの基礎 |
試験方式 | リモートWebテスト |
受験料 | スタンダード:6,100円 / エキスパート:7,500円 |
試験時間 | スタンダード:60分 / エキスパート:110分 |
合格基準 | スタンダード:実技問題の65%以上 / エキスパート:知識問題と実技問題の合計65%以上 |
受験場所 | 自宅もしくはサーティファイ認定試験会場(全国各地) |
この資格には、「スタンダード」と「エキスパート」の2種類があります。
- スタンダード:基礎的なHTML・CSSのコーディングスキルがあることを証明
- エキスパート:レスポンシブデザインや、より高度なHTML・CSSの知識を問われる
試験のレベルや内容をもっと詳しく知りたい方は、公式サイトをご確認ください。
Webクリエイター能力認定試験が「意味ない」と言われる3つの理由
Webクリエイター能力認定試験が意味ない理由① 資格よりもポートフォリオが重要視される
Webデザイナーやフロントエンドエンジニアの採用では、資格の有無よりも実際に作れる作品(ポートフォリオ)が重視されることがほとんどです。
例えば、企業の求人募集では、「Webクリエイター能力認定試験を持っている方歓迎」と書かれることは少なく、それよりも「実務経験2年以上」や「ポートフォリオ必須」といった条件が優先されます。
そのため、資格を持っているだけでは採用にはつながりにくく、実際にWebサイトを作れるスキルや実務経験の方が重要だと考えられています。
Webクリエイター能力認定試験が意味ない理由② 知名度が低く、転職で評価されにくい
Webクリエイター能力認定試験は、日本国内では一定の認知度がありますが、Web業界全体では知名度がそれほど高くないため、転職時の評価が分かれることがあります。
企業の採用担当者が認知している資格としては、以下のものの方が評価されやすい傾向にあります。
資格名 | 特徴 | 評価 |
---|---|---|
Webクリエイター能力認定試験 | HTML・CSSの基礎を問う | △(知名度が低い) |
HTML5プロフェッショナル認定試験 | HTML5・CSS3の知識を問う | 〇(評価されることが多い) |
Photoshopクリエイター能力認定試験 | Photoshopスキルを証明 | △(業界では評価が分かれる) |
Google認定資格(Google UX Design) | UX/UIデザインのスキルを証明 | ◎(国際的に評価される) |
このように、企業によっては「そもそもこの資格を知らない」という場合もあるため、履歴書でのアピール材料としては弱いことがデメリットになります。
Webクリエイター能力認定試験が意味ない理由③ 実務で求められるスキルと試験範囲にズレ
Webクリエイター能力認定試験では、HTML・CSSの基本を問われますが、実際のWeb制作の現場では、より高度なスキル(JavaScript、WordPress、SEO、デザイン理論など)が求められることが多いです。
例えば、以下のようなスキルは試験範囲に含まれていません。
- JavaScript・jQuery(Webサイトに動きをつけるスクリプト)
- WordPress(企業サイトやブログでよく使われるCMS)
- SEO(検索エンジン最適化)(サイトの集客力を高める施策)
そのため、資格を取得しただけでは、実務で求められるスキルが不足していることが多く、「意味がない」と感じる人もいるようです。
それでもWebクリエイター能力認定試験を取得する3つのメリット
Webクリエイター能力認定試験を取得するメリット① HTML・CSSの基礎を体系的に学べる
この試験は、独学で学ぶよりも体系的にWebの基礎を学ぶのに適しています。
特に、未経験者や初心者がHTML・CSSの基本を身につけるための学習目標として活用できるのがメリットです。
Webクリエイター能力認定試験を取得するメリット② 未経験者のアピール材料になる
完全未経験からWeb業界を目指す場合、履歴書に「Webクリエイター能力認定試験合格」と書くことで、最低限の基礎知識があることを証明できるため、アピール材料にはなります。
ただし、資格を取るだけでなく、ポートフォリオを作成し、実際にWebサイトを制作した実績を示すことが重要です。
Webクリエイター能力認定試験を取得するメリット③ 企業によっては評価されることもある
Web制作会社ではなく、一般企業の広報・マーケティング担当として「社内のWebサイトを管理する」業務では、資格が評価されることもあるため、Web専門職以外のキャリアを目指す場合には役立つことがあります。
Webクリエイター能力認定試験はどんな人に向いている?
資格を取るべき人
- Web制作を学び始めたばかりの初心者
- HTML・CSSの基礎を体系的に学びたい人
- 未経験からWeb業界を目指している人(ポートフォリオと併用すると効果的)
- 一般企業でWebサイトの管理・更新を担当する人
資格を取らなくてもいい人
❌ すでにWebデザインやフロントエンド開発の実務経験がある人
❌ Web業界で本格的に活躍したい人(ポートフォリオの方が重要)
❌ 資格よりもJavaScript・SEO・WordPressなど実務スキルを優先したい人
まとめ|Webクリエイター能力認定試験は目的次第で価値が変わる
- Web初心者が基礎を学ぶには適した資格
- 未経験者の転職時に最低限のスキル証明として使える
- ただし、ポートフォリオや実務経験の方が評価されやすい
- 本気でWeb業界を目指すなら、より実務的なスキルを学ぶ方が有利
資格を取ること自体に価値があるわけではなく、資格を活かしてどんなスキルを身につけるかが重要です。
目的を明確にし、必要に応じて取得を検討しましょう。