ウェブデザイン技能検定は、Webデザインに関する知識と技術を証明する国家資格です。
Webデザインに関する資格の多くは民間資格ですが、この試験は厚生労働省が認定する「唯一の国家資格」であり、一定の信頼性があります。
「ウェブデザイン技能検定ってどんな資格?」
「取得すると就職や転職に有利になるの?」
このような疑問を持つ方のために、本記事ではウェブデザイン技能検定の試験内容や難易度、取得するメリット・デメリットを詳しく解説します。
目次
ウェブデザイン技能検定とは?
ウェブデザイン技能検定は、Webデザインに関する知識・スキルを測る国家資格で、Webサイト制作に必要な技術や理論を体系的に学ぶことができます。
この資格は、「技能検定制度」に基づく試験であり、合格すると「ウェブデザイン技能士」という称号を得ることができます。
また、等級(1級・2級・3級)に分かれており、それぞれ求められるスキルレベルが異なります。
- 試験を運営する団体:インターネットスキル認定普及協会
- 試験の対象者:学生・Webデザイナー・フロントエンドエンジニア・Web担当者など
- 公式HP:https://www.webdesign.gr.jp/
ウェブデザイン技能検定の試験内容
ウェブデザイン技能検定は、学科試験(筆記)と実技試験(Web制作)の2つで構成されています。
試験項目 | 内容 |
---|---|
学科試験 | Webデザインの基礎、HTML・CSS、JavaScript、UI/UX、アクセシビリティ、SEO、著作権 |
実技試験 | 指定されたWebページをHTML・CSSでコーディングし、デザインを再現する |
等級ごとに試験の難易度や出題範囲が異なるため、自分のスキルレベルに応じた級を選択して受験することが重要です。
等級ごとの難易度と試験内容
等級 | 難易度 | 試験内容 | 受験対象 |
---|---|---|---|
3級 | ★★☆☆☆(基礎レベル) | HTML・CSSの基本操作、簡単な画像編集 | 初心者・学生 |
2級 | ★★★☆☆(中級レベル) | JavaScript、SEO、アクセシビリティ対応 | 実務経験1年以上 |
1級 | ★★★★☆(上級レベル) | Webディレクション、デザインの設計、UI/UXデザイン | 実務経験7年以上 |
ウェブデザイン技能検定の難易度と合格率
ウェブデザイン技能検定の合格率は等級によって異なり、3級は比較的易しく、1級は難易度が高い試験となっています。
等級 | 合格率 | 難易度 |
---|---|---|
3級 | 約60~70% | 比較的簡単 |
2級 | 約40~50% | 実務経験がないと難しい |
1級 | 約10~20% | 高難易度 |
3級は基礎知識があれば合格しやすいですが、2級以上は実務経験がないと難しく、しっかりとした試験対策が必要です。
ウェブデザイン技能検定を取得する3つのメリット
ウェブデザイン技能検定のメリット① 国家資格としての信頼性がある
ウェブデザイン技能検定は、Webデザイン分野では唯一の国家資格です。
国家資格は信頼性が高いため、履歴書や職務経歴書に書くことで、一定のスキルを証明できるのがメリットです。
特に、公的機関や教育機関、一般企業での評価が高いため、Web制作会社以外の企業で働く場合にはアピール材料になります。
ウェブデザイン技能検定のメリット② Webデザインの基礎を体系的に学べる
この資格の勉強を通じて、HTML・CSS・JavaScript・SEO・アクセシビリティ・UI/UXなどのWebデザインの基礎を体系的に学べるため、独学で学ぶよりも効率的にスキルを習得できるのがメリットです。
特に、これからWebデザインを学ぶ初心者にとって、学習の指針として活用できるのが大きな利点です。
ウェブデザイン技能検定のメリット③ 一般企業でのWeb担当・広報職には評価される
Web制作会社ではなく、一般企業のWeb担当や広報職としてWebサイトを管理する場合には、「国家資格を持っている」という点が評価されることがあるため、企業内のWeb担当者として働く場合には有利になる可能性があります。
ウェブデザイン技能検定の2つのデメリット
ウェブデザイン技能検定のデメリット① Web業界ではポートフォリオの方が重視される
Webデザインの仕事では、資格よりも実際に作れる作品(ポートフォリオ)の方が評価されやすいのが現実です。
例えば、Webデザイナーやフロントエンドエンジニアの求人では、「ポートフォリオ必須」と書かれていることが多く、資格を持っているだけでは採用にはつながりにくいことがあります。
ウェブデザイン技能検定のデメリット② 知名度が低く、転職時に評価されにくい
Webデザイン技能検定は国家資格ですが、Web業界ではあまり認知されていないため、企業によっては「その資格って何?」という反応をされることもあります。
そのため、履歴書に書いても直接的な評価につながることは少なく、実務経験やポートフォリオの方が重要視される傾向があります。
ウェブデザイン技能検定はどんな人に向いている?
資格を取るべき人
- Webデザイン初心者で、基礎を体系的に学びたい人
- 一般企業のWeb担当・広報職としてWebサイトの管理をする人
- 国家資格を持っておきたい人(公的機関・教育機関向け)
資格を取らなくてもいい人
❌ Webデザイナー・フロントエンドエンジニアを目指す人(ポートフォリオが重要)
❌ Web制作会社に転職を考えている人(資格よりも実務経験が評価される)
❌ Photoshop・Figma・WordPressなどの実践的スキルを優先したい人
まとめ|ウェブデザイン技能検定は目的次第で価値が変わる
- Webデザイン初心者が基礎を学ぶには適した資格
- 一般企業のWeb担当や広報職では評価されることもある
- Web制作会社ではポートフォリオや実務経験の方が重要視される
資格の取得が目的にならないよう、スキル習得のための一歩として活用するのがベストです。