ウェブデザイン技能検定は、Webデザインのスキルを証明できる国家資格です。
しかし、一部では「ウェブデザイン技能検定は意味がない」「資格を取っても評価されない」という声もあります。
- ウェブデザイン技能検定は就職や転職に有利なのか?
- 資格が実務で役立つのか?
- 資格よりもポートフォリオや実務経験が重要なのか?
本記事では、ウェブデザイン技能検定の価値、取得するメリット・デメリット、資格が必要な人・不要な人の特徴を詳しく解説します。
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ウェブデザイン技能検定とは?資格の概要
国家資格としてのウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、厚生労働省が認定する国家資格で、Webデザインに関する知識やスキルを証明できる資格です。
ウェブデザイン関連の資格としては珍しく、「国家資格」という点で他の民間資格よりも権威があるとされています。
試験の種類と難易度
ウェブデザイン技能検定には、1級・2級・3級の3つのレベルがあります。
等級 | 難易度 | 試験内容 | 対象者 |
---|---|---|---|
3級 | ★★☆☆☆(易しい) | HTML・CSSの基礎、簡単な画像編集 | 初心者 |
2級 | ★★★☆☆(普通) | JavaScript・SEO・アクセシビリティ | 実務経験1年以上 |
1級 | ★★★★☆(難しい) | Webディレクション・UI/UXデザイン | 実務経験7年以上 |
- 試験方式:学科試験(選択式)+ 実技試験(Webページ制作・コーディング)
- 試験実施機関:ウェブデザイン技能検定試験センター
- 受験料:3級 7,000円 / 2級 7,500円 / 1級 25,000円
各級とも学科・実技の出題形式及び合格基準は以下の通りです。
出題形式 合格基準 学科 筆記試験(マーク方式):
「多肢選択法」「真偽法」形式70点以上(100点満点) 実技 課題選択方式 70点以上(100点満点:ただし、試験要項に示す各作業分類において配点の60%以上の得点を得ること)
ウェブデザイン技能検定が「意味ない」と言われる3つの理由
ウェブデザイン技能検定が意味ない理由① 資格よりもポートフォリオが重要視される
Webデザイン業界では、資格よりも「実際に作れるもの(ポートフォリオ)」が評価されるのが一般的です。
例えば、企業のWebデザイナーの求人では、「Webデザイン技能検定を持っている方歓迎」と書かれていることはほとんどなく、その代わりに「ポートフォリオ必須」とされていることが多いです。
つまり、資格を持っているだけでは評価されにくく、実際に作れるWebサイトのクオリティが重視されるということです。
ウェブデザイン技能検定が意味ない理由② 実務で求められるスキルと試験範囲にズレ
ウェブデザイン技能検定では、HTML・CSS・JavaScript・SEO・アクセシビリティなどが試験範囲ですが、実際のWebデザインの現場では、Photoshop・Illustrator・Figma・WordPressなどのツールのスキルも重要になります。
例えば、試験では以下のスキルが問われません。
- Photoshop・Illustratorの高度な操作(Webデザインの実務では必須)
- Figma・Adobe XDなどのプロトタイピングツール(UI/UX設計に必要)
- CMS(WordPressなど)やWebアプリ開発の知識
そのため、資格を取得しても、実際の仕事で求められるスキルが不足しているケースが多いため、「資格を持っていても実務で役に立たない」と感じる人が多いようです。
ウェブデザイン技能検定が意味ない理由③ 知名度が低く、転職時に評価されにくい
ウェブデザイン技能検定は国家資格ですが、Web業界ではあまり知られていません。
そのため、企業の採用担当者が「この資格を持っているから評価しよう」と考えるケースは少ないです。
特に、企業が重視する資格としては、以下のものの方が評価されやすい傾向にあります。
資格名 | 特徴 | 評価 |
---|---|---|
ウェブデザイン技能検定 | HTML・CSS・JavaScript・SEOの基礎を問う | △(評価が分かれる) |
HTML5プロフェッショナル認定試験 | HTML5・CSS3の高度な知識を証明 | 〇(技術系職種で評価) |
Google UX Design 認定資格 | UI/UXデザインのスキルを証明 | ◎(国際的に評価) |
Photoshopクリエイター能力認定試験 | Photoshopスキルを証明 | △(デザイン系で評価) |
このように、国家資格だからといって必ずしも評価が高いわけではなく、転職市場ではあまり有利にならないことがデメリットです。
それでもウェブデザイン技能検定を取得する3つのメリット
ウェブデザイン技能検定のメリット① Webデザインの基礎を体系的に学べる
この資格の勉強を通じて、HTML・CSS・JavaScript・SEO・アクセシビリティなどの基礎を体系的に学べるのはメリットです。
独学で学ぶよりも、試験勉強を通じてWebの基本を整理できるため、初心者には有用です。
ウェブデザイン技能検定のメリット② 一般企業では評価されることもある
Web制作会社ではなく、一般企業のWeb担当や広報職では、資格が評価されることもあるため、「Webデザイナーとしてのキャリアではなく、社内のWebサイト管理をする」場合には一定の価値があります。
ウェブデザイン技能検定のメリット③ 国家資格としての信頼性がある
Webデザイン関連の資格の多くは民間資格ですが、ウェブデザイン技能検定は国家資格のため、一定の信頼性があるのもメリットです。
特に、公的機関や教育機関などでは、「国家資格を持っている」という点が評価されることがあるため、民間資格よりは信頼度が高いと考えられます。
ウェブデザイン技能検定はどんな人に向いている?
資格を取るべき人
- Webデザイン初心者で、基礎を体系的に学びたい人
- 一般企業のWeb担当・広報職としてWebサイトの管理をする人
- 国家資格を持っておきたい人(公的機関・教育機関向け)
資格を取らなくてもいい人
Webデザイナー・フロントエンドエンジニアを目指す人(ポートフォリオが重要)
Web制作会社に転職を考えている人(資格よりも実務経験が評価される)
Photoshop・Figma・WordPressなどの実践的スキルを優先したい人
まとめ|ウェブデザイン技能検定は目的次第で価値が変わる
- 初心者が基礎を学ぶには適した資格
- 転職ではポートフォリオの方が重要視されるため、資格だけでは評価されにくい
- 一般企業のWeb担当・広報職では評価されることもある
- 本格的なWebデザイナー・エンジニアを目指すなら、資格よりも実務経験やポートフォリオを優先すべき
資格の取得が目的にならないよう、スキル習得のための一歩として活用するのがベストです。