昨今よく耳にする「基本情報技術者は意味ない」という声。
確かに、実務経験を重視する現場では資格だけの評価に限界があるとの意見もあります。
しかし一方で、初心者や学生にとっては確実な基礎固めやアピール手段として機能するのも事実。
この記事では、「本当に無意味なのか?」を現場と初心者の両視点から分析し、あなたにとっての価値を整理します。
目次
基本情報技術者とは何か?
基本情報技術者試験(FE)
情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。
国家資格である「基本情報技術者試験」は、IPA(情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験の一つ。
IT業界を目指す未経験者や学生を主な対象とし、プログラミング、アルゴリズム、ネットワーク、データベースなど、ITの基礎を広く問う試験です。
- 試験形式:科目A・科目Bでなり、多肢選択式(四肢択一)
- 通年CBT試験:好きなタイミングで受験可能
- 役割:「ITの登竜門」として活用され、幅広い領域を体系的にカバー
「意味ない」と言われる主な理由
- 実務非直結の知識が多い
- 試験範囲に含まれる理論的内容(OSIモデルや擬似言語など)が、現場では使用されないことも。
- 成果物や経験が重視される風潮
- 最近は実務経験やGitHub上のポートフォリオに評価が寄りがち。資格が相対的に価値を失うケースも。
- 学習工数と効果のバランスに疑問
- 独学で数ヶ月かけて合格しても、「これだけの苦労をして本当に役立つのか?」と疑問に思う人も少なくありません。
それでも取得する価値がある理由
- IT知識の体系的な習得
- プログラミングからネットワーク・アルゴリズムと、幅広く学べることで基礎力が自然に身につきます。
- 初心者のポテンシャル証明に有効
- 未経験・文系出身者にとって、努力と学習意欲の証として評価されやすく、履歴書にも箔がつきます。
- 上位資格・転職・社内評価への足がかりに
- 応用情報や高度資格受験の弾みになるほか、「資格手当」「昇進」の対象になりやすい企業もあります。
どんな人におすすめ?
- IT業界への第一歩を踏み出したい人…入門として最適
- 学習の軸が定まっていない初心者…学習の指標として機能
- 学生・第二新卒などポテンシャル評価を狙う層…努力が可視化されるアイテム
取得を急がなくてもいい人の特徴
- すでに現場経験がある中堅エンジニア:実務成果に裏付けられるなら優先度は低い
- クラウド系(AWS/GCP等)を実務で学んでいる人:より実務に近い資格や経験を優先
- 成果物・ポートフォリオで自己証明のできる人:資格より実績重視でもOK
資格の「意味」は目的で変わる
目的 | 資格取得の価値 |
---|---|
基礎学習とキャリアスタート | 大いにあり |
実務経験と転職・評価を重視する人 | 実務や成果物に重きを置いた方が合理的 |
初心者で軸を持ちたい人 | 基本情報で学習の“目標設定”が可能 |
■ まとめ
- 「意味ない」との評価は一面的。初心者には十分価値があり、現場では他の手段に重点が置かれる傾向あり
- 資格の有無ではなく、「どう使うか」「どんな目的で取得するか」が重要
- IT初心者には合理的な選択肢、経験者には必要性を再検討すべき資格と言えます
あなたにとって本当に意味がある資格かどうか、この記事がその判断の助けになれば幸いです。