「高度情報処理技術者試験の中で一番簡単な試験はどれ?」
「難易度が低めで合格しやすい試験を知りたい!」

高度情報処理技術者試験は、ITエンジニアやマネジメント層向けの最上級の国家資格ですが、試験によって難易度が異なります。
IPA(情報処理推進機構)が実施する高度試験は全部で12区分あり、どれも国家資格として高い専門性を求められます。
とはいえ、その中でも「比較的合格しやすい」「初心者が取り組みやすい」試験は存在します。
この記事では、全試験の難易度を比較しながら、「初めて高度試験に挑戦するならどれを選ぶべきか?」をわかりやすく解説します。
高度情報処理技術者試験で一番簡単なのは?初心者向けおすすめ試験
高度情報処理技術者試験とは?
高度情報処理技術者試験は、ITエンジニアの専門スキル・設計力・マネジメント能力を証明する国家資格です。
応用情報技術者試験(AP)の上位に位置づけられ、戦略立案・設計・管理・監査など幅広い領域に分かれています。
【代表的な試験区分】
分野 | 試験名 | 主な内容 |
---|---|---|
経営・戦略系 | ITストラテジスト(ST) | 経営戦略とIT投資・企画立案 |
管理・マネジメント系 | プロジェクトマネージャ(PM) | システム開発全体の進行・管理 |
管理・運用系 | ITサービスマネージャ(SM) | 運用設計・サービス品質管理・改善 |
設計・開発系 | システムアーキテクト(SA) | 要件定義・大規模設計スキル |
データ系 | データベーススペシャリスト(DB) | SQL・設計・運用の専門スキル |
ネットワーク系 | ネットワークスペシャリスト(NW) | 通信設計・セキュリティ・障害対応 |
セキュリティ系 | 情報処理安全確保支援士(SC) | サイバー攻撃・脆弱性・対策実務 |
組み込み系 | エンベデッドシステムスペシャリスト(ES) | 組み込みソフト・IoT・制御技術 |
監査系 | システム監査技術者(AU) | 情報システム監査・リスクマネジメント |
難易度ランキング|合格率で見る“取りやすい試験”
IPA公表データをもとに、難易度を5段階で分類しました。
難易度 | 試験名 | 合格率(目安) | 特徴 |
---|---|---|---|
★★★★★ 最難関 | ITストラテジスト(ST) プロジェクトマネージャ(PM) 情報処理安全確保支援士(SC) | 約13〜15% | 実務経験・論述力が重視される。難易度トップクラス。 |
★★★★☆ 難しい | システムアーキテクト(SA) ネットワークスペシャリスト(NW) ITサービスマネージャ(SM) システム監査技術者(AU) | 約15〜17% | 長文読解・運用設計・リスク管理など幅広く問われる。 |
★★★☆☆ 標準 | データベーススペシャリスト(DB) エンベデッドシステムスペシャリスト(ES) | 約17〜20% | 出題傾向が安定しており、初心者に人気。 |
結論:
最も合格しやすいのは「データベーススペシャリスト(DB)」と「エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)」です。
一番簡単なのは「データベーススペシャリスト(DB)」
データベーススペシャリストは、SQL・論理設計・パフォーマンスチューニングなどの実務知識を問う資格です。
特徴
- 合格率:約18%前後
- 出題傾向が毎年安定しており、過去問対策が非常に有効
- 応用情報の延長線上で理解できる
学習ポイント
- SQLの出題はパターン化されており、過去問3〜5年分を繰り返せば対応可能
- 午後Ⅱは論述ではなく「技術記述中心」で、構成を暗記すれば書ける
- 3〜6ヶ月の学習で十分合格が狙える
「最初の高度試験」として最もおすすめです。
もうひとつ簡単な「エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)」
エンベデッドシステムスペシャリストは、組み込み開発・IoT・自動車ソフトなど制御分野に特化した試験です。
特徴
- 合格率:約18〜20%
- 問題の構成がほぼ固定化されており、過去問対策が通用する
- 理系・制御系のエンジニアにとっては内容が理解しやすい
向いている人
- 製造・電機・自動車業界エンジニア
- 理系学生やプログラマ志望者
- C言語・マイコンなどの基礎知識がある人
初心者が避けたほうがよい試験
試験名 | 理由 |
---|---|
ITストラテジスト(ST) | 経営・戦略の抽象論が多く、業務経験がないと論述が難しい |
プロジェクトマネージャ(PM) | 実務経験前提の記述問題が多い |
システム監査技術者(AU) | 監査経験がないと理解しづらい |
これらは管理職・上級職向けの試験です。初挑戦者は避けたほうが無難です。
効率的な勉強法(初挑戦者向け)
- 応用情報技術者試験レベルの復習
→ 基本情報や応用情報の知識を土台にする
- 過去問中心の学習
→ 午前対策は5年分×3周でOK
- 午後Ⅱ(論述)はテンプレート暗記
→ 「課題 → 対応 → 効果」の3段構成で練習する
- 学習時間の目安
- 応用情報合格者:200〜300時間
- 初学者:400〜600時間
Q&A|「高度情報処理技術者試験のおすすめは?」に関する よくある質問
Q1.「簡単」と言っても、未経験でも受かりますか?
可能です。ただし応用情報技術者試験(AP)レベルの基礎力は必須です。
特に「午前試験」はAPと出題範囲が重なるため、過去問を繰り返せば十分対応できます。
Q2.DBとES、どちらを選ぶべきですか?
目指すキャリアによって異なりま。
- Web・業務系エンジニア →データベーススペシャリスト(DB)
- 製造・制御系エンジニア → エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)
どちらも技術よりの出題で、初心者でも合格を狙いやすい資格です。
Q3.午前免除はありますか?
はい。応用情報技術者試験(AP)に合格していると、1年間の午前試験免除が受けられます。
この特典を活かせば、午後試験対策に集中できるので非常に有利です。
Q4.過去問だけで合格できますか?
午前・午後Ⅰは過去問中心の学習で十分対応可能。
午後Ⅱ(論述)は「自分の言葉で説明できるレベル」まで練習するのがコツです。
Q5.高度資格を取るメリットは?
- 昇進・資格手当の対象になる
- ITエンジニアとしての信頼性向上
- 転職市場で専門性をアピールできる
- 「データベース」「ネットワーク」など専門職への転身に有利
まとめ|高度試験は決して「難しすぎる」わけではない
- 高度情報処理試験の中で最も取りやすいのは
→ データベーススペシャリスト(DB) - 理系・制御系エンジニアなら
→ エンベデッドシステムスペシャリスト(ES) - 応用情報を取得後に挑戦すれば、効率的に合格可能
結論:
高度試験は決して「難しすぎる」わけではありません。
過去問中心の戦略で、DBやESから始めれば十分に合格を狙える資格です。
第一歩を踏み出し、あなたの専門性を国家資格で証明しましょう。