情報処理技術者試験の中でも、実務的なスキルを証明できる資格として人気の高い「応用情報技術者試験(AP)」。
この試験を目指している方の中には、
「基本情報を飛ばして応用情報を受けてもいいの?」
「いきなり応用情報は難しすぎるのでは?」
と不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、基本情報試験に合格していなくても、応用情報試験の受験は可能です。ただし、それなりの知識・学習量・準備が必要になることも確かです。
この記事では、基本情報を飛ばして応用情報を受けるメリット・デメリットや注意点、合格に必要な学習内容・対策方法まで詳しく解説します。
目次
基本情報を飛ばして応用情報技術者試験を受けられる?
はい、可能です。
応用情報技術者試験に受験資格や前提資格は一切ありません。
そのため、基本情報技術者試験(FE)を受けていなくても、誰でもいきなり応用情報(AP)を受験できます。
ただし、応用情報は「高度IT人材の登竜門」と位置づけられており、内容は基本情報よりも広く・深く・実践的です。
そのため、「基本情報の内容をある程度理解している前提」で問題が構成されている点に注意が必要です。
応用情報技術者試験
ITエンジニアとしてのレベルアップを図るには、応用情報技術者試験がお勧めです。
技術から管理、経営まで、幅広い知識と応用力が身に付き、システム開発、IT基盤構築などの局面で、高いパフォーマンスを発揮することができます。
応用情報技術者試験からいきなり挑戦するメリット
- 試験回数を減らせる(時間の節約)
- 基本情報よりも評価・信頼度が高い
- 資格手当や昇進条件として応用情報が指定されている企業も多い
- 独学のモチベーションが高まる
特にIT業務の実務経験がある方や、すでに基本情報レベルの知識がある人にとっては、基本情報をスキップして応用情報から挑戦するのは十分に現実的な選択肢です。
いきなり応用情報技術者試験を受けるデメリット・注意点
- 試験範囲が非常に広く、理解が浅いと合格が難しい
- 午後問題で出題される論述式問題は、前提知識がないと対応できないことも
- 午前の選択肢が似通っており、用語の定義が曖昧だとミスしやすい
- 科目ごとの出題傾向に慣れていないと時間配分が難しい
基本情報試験を通して、用語や出題形式に慣れていると、応用情報もスムーズに進められる部分があります。
「用語の意味が曖昧」「アルゴリズムやネットワークが苦手」という場合は、基本情報の復習が必要になるでしょう。
こんな人なら基本情報技術者試験を飛ばしてもOK
- 情報系の大学・専門学校で学習経験がある人
- 業務でIT・システム開発・セキュリティなどに関わっている人
- 独学で基本情報相当の知識を習得済みの人
- 過去に基本情報を勉強したことがあり、ある程度理解できている人
逆に、IT初心者や文系出身でプログラミング未経験の方には、いきなり応用情報はハードルが高くなることが多いです。
まずは基本情報からステップアップするのがおすすめです。
応用情報技術者試験を受験する際に最低限押さえておきたい知識
応用情報試験では、以下のような知識が必要です。基本情報の知識と重複する部分も多いため、基本情報の勉強内容を事前に把握しておくと有利になります。
- ITパスポート・基本情報で出題される用語・概念の理解
- コンピュータアーキテクチャ
- データベース(正規化・SQL)
- ネットワーク(プロトコル、OSI参照モデル)
- 情報セキュリティの基本
- アルゴリズムとプログラミング的思考
- マネジメント系(プロジェクト管理・品質管理)
- ストラテジ系(経営戦略・業務知識)
- 午後問題の選択分野(例:情報セキュリティ、経営・業務、システム監査 など)
応用情報技術者試験の対策方法(基本情報を飛ばす場合)
- 基本情報の参考書・過去問を使って事前学習する
- 応用情報の午前問題をまず解いてみて、自分の理解度を把握する
- 苦手な分野は基本情報レベルから戻って復習する
- 午後問題対策には、論述力・読解力・キーワード整理力が必要
- 過去問演習+出題傾向の分析が合格への近道
応用情報試験は、「知識の量」ではなく「応用力・実務的な思考力」を重視しているため、インプット学習だけでなく、過去問を通じたトレーニングが重要になります。
まとめ|応用情報を基本情報なしで受けることは可能だが、事前準備がカギ
- 応用情報は基本情報を受けていなくても受験可能
- ただし、出題内容は基本情報レベルの理解を前提としている
- いきなり挑戦してもOKな人は、実務経験者や知識のある学習者
- IT初心者・未経験者は、基本情報からのステップアップがおすすめ
- 合格の鍵は、事前の基礎固めと過去問演習による実践力の強化
無理に2回受験する必要はありませんが、自分のレベルを冷静に見極めて、必要なら基本情報レベルの知識をきちんと補ってから挑戦することが大切です。
あなたの今のスキルや目標に合わせて、最適な学習ルートを選びましょう。応用情報試験は難易度が高いですが、しっかり準備すれば、独学でも十分に合格可能です。